2019年10月19日(土)、10月27日(日)

わたし達の未来をつくる「アイデアソン・ハッカソン」東京

~世の中を変える商品開発【視覚障害を持つ方編】~

レポート・ブログ

<障害のある方やすべての方へ>
タグで情報提供。屋内を含む案内が可能な「NaviLens」

NPO法人アイ・コラボレーション神戸の北山です。これは、アクセシビリティ Advent Calendar 2019の20日目の記事です。

視覚障害のある方が道を歩く時にGoogleMapはとても便利ですよね。
ただ、屋内ではGPSが受信しにくい為、まだ的確な案内の実現は難しいと思います。

屋内を含む案内について、バルセロナではNaviLensという画期的なサービスの運用が始まっています。まずはYoutubeの動画をご覧ください。

屋内誘導の日本の取り組み

NaviLensのどこが画期的なのかをご説明するために、まず日本の取り組みを少しご案内。日本でもいろんな方々が、視覚障害のある方を屋内誘導するための取り組みをしていらっしゃって、弊所もいくつか実証実験をさせていただきました。

 

例えば「QRコード」で現在地や案内情報を提供する取り組み。QRコードは設置が手軽で、スマートフォンさえあればアプリなしで情報を取得できるという利点があります。ですが、読み取りにあたってスマートフォンで焦点を合わせなければならない為、ケースによっては歩行中に立ち止まったり、読み取れなくて後戻りする可能性があります。

 

また、ビーコンを設置して、ビーコンのある場所の情報を提供するアプリもあります。QRコードのようにスマートフォンで焦点を合わせる必要がなく、スマートフォンを持って近づいたら、すぐに反応して情報を提供してくれます。ですが、快適な誘導のためにはあらゆる場所にビーコン設置が必要であり、設置コストにハードルがあるケースがあります。

 

その他にも、施設にデバイスを複数設置する方法など、日本でも多様な取り組みが進んでいます。

バルセロナの「NaviLens」

NaviLensは、QRコードのように手軽で、ビーコンのようにスマートフォンを持ってコードに近づくだけで情報を取得できます。タグを印刷したシールを貼るだけ。デバイスの設置も不要です。また、ユーザーが利用するアプリは無料で、日本語対応もしています。

App Store 「NaviLens」

Google Play「NaviLens」

バルセロナに行き、NaviLensを体験してみました。

バルセロナの風景(サグラダ・ファミリア)写真

一番最初にNaviLensのタグが設置されたフィラ駅に到着。

フィラ駅の看板写真

エレベータを降りてスマホをかざすと、券売機がどこにあるかを教えてくれます。

券売機の写真

切符を買ってスマートフォンを左右にかざすと、左側にかざしした時に改札の情報を受信。5メートル程の距離がありましたが、スマートフォンの焦点を合わさなくても改札の位置を知ることができました。

改札の写真

改札を通ると、エレベーターへ誘導。多分「右へ1メートル。前へ3メートル。●●方面ホーム行きエレベーターです。」というような日本語の案内でした(録音しておけばよかった)。

エレベーターの写真

エレベーターを降りたら、ホームの案内。「●●方面行きホーム。あと2分で電車がきます。」と言っていました。「●時●●分に電車がきます」ではなく、あと●分で電車が来るというのは親切な案内だと感じました。

ホームの写真

バルセロナでは地下鉄やバス停など、あらゆる場所でNaviLensのタグを見かけました。

バス停の写真

NaviLensを実際に体感してみて、本当にすごかったです!多くの言語に対応している為、日本語で体験できたことも素晴らしかったです。日本で広まったら、視覚障害のある人の外出が便利になるのではないかと思います。

日本には、まだまだNaviLensの情報が少ないようなので、気になった方・情報が知りたいという方がいらっしゃったら、詳細はNPO法人アイ・コラボレーション神戸までご連絡ください。

NPO法人アイ・コラボレーション神戸

メールでのお問い合わせ:
support@mirai-commons.com
〒650-0045
兵庫県神戸市中央区港島9丁目1番地 KIO103
電話:078-302-9811 FAX:078-302-9811

主催:NPO法人アイ・コラボレーション神戸