2018年8月18日(土)、8月26日(日)

わたし達の未来をつくる「アイデアソン・ハッカソン」

~世の中を変える商品開発【視覚障害を持つ方編】~

レポート・ブログ

2019年6月7日開催 わたし達の未来をつくる「アイデアソン・ハッカソン」
~世の中を変える商品開発【視覚障害を持つ方編】~最終報告会レポート

2018年8月18日(土)・26日(日)に開催された「わたし達の未来をつくるアイデアソン・ハッカソン ~世の中を変える商品開発【視覚障害を持つ方編】~」では、視覚障害者を中心として、企業や技術者が「障害者が何もあきらめなくてよい世の中」をつくることを目的として試作品を開発しました。 約10か月、各チームは改良や実証実験を積み重ねてきました。そして2019年6月7日(金)に、視覚障害者をはじめとする多様なユーザーに向けて開発中の製品の最終報告会を行いました。


まず最初は、【ビジネス賞】を受賞された「市販薬パッケージ」チームの発表です!

市販薬パッケージチームの写真

こちらのチームのテーマ(目標)は、「市販薬パッケージのバリアフリーを目指して」。
視覚障害を持つ方の、服薬バリアについて話し合われてきたそうです。
引き続き発売を目標にして開発を進められるとのことです!
ありがとうございました!

続いて、【優秀賞】を受賞された、視覚障害を持つ人の外出・移動をサポートする「靴センシング」チームの発表です!

靴センシングチームの写真

視覚障害を持つ方からの課題掲示として、今のシューズは点字ブロックがわかりづらいということと、通勤ルートを普段どおり歩いていても、いつの間にかズレてしまうということがあり、横断歩道など非常に危険だということでした。
解決する手段として、一つは点字を判断しやすいシューズ構造を見出すこと、磁性点字ブロックと「警告」「誘導」の振動による通知機能を開発すること。
もう一つは、GPS等の衛星測位にて走行ルートをガイドすることだそうです。
そして開発したものが靴底で磁性点字ブロックを検知し、「警告」「誘導」を振動や音で教えてくれるシューズです。
視覚障害者の方に、もっと外出しましょうよ!という仕掛けをするのが一つのミッションになるんじゃないかと考えてこられたそうで、視覚障害者の方でも水族館で楽しめるような色々な仕掛けを研究されているとのことでした。
まだまだ研究段階とのことなので、これからどういうふうに完成していくのかとても楽しみです!ありがとうございました!

続いて、【アイデア賞】を受賞された、「IoTバス降車サポート」チームの発表です!

IOTバス降車サポートチームの写真

視覚障害をお持ちの方から、複数の路線バスが停車するバス停では、自分が乗車したいバスが来たことがわからない。バス停で待っているときに運転手が待っていることに気づかず、行ってしまう。バス乗車中、降車ボタンの位置がわからない。(車椅子の方からも「手が届かない。」とのご意見)とのご意見をいただいたそうです。
検討・試作した解決策がスマホに向かって「ok,google 降車ボタンを押して」と発話すると降車ボタンに設置した、ボタンを押してくれる小さいロボットが作動する、という仕組みになっているそうです。
広く普及させるために、低コストでの実現方法を採用されているとのことです。
この試作品に対するフィードバックとして、車内での携帯マナーなどどうなるのかといったところで、改善案がバーチャル降車ボタンをスマホに表示し、スマホから降車ボタンを押すことができるようにする、ということだそうです。
障害のある方々の移動の不便を少しでも解決したいと考えておられるそうです。 実証実験先を募集中とのことです!ありがとうございました!

続いては【フロンティア賞】を受賞された、駅構内等を音声で誘導する「AR音声案内システム」チームの発表です!

AR音声案内システムチームの写真

目の不自由な方にとっての駅構内の移動での困りごとはというと、自動改札の通行方向は?何番ホームへの階段?左右どちらが何番ホーム?など、誘導ブロックは道しるべだが、どこにいけるかは教えてくれない!ということです。
アイデアとして出たのが、「どっちに何があるか知りたい」で、地面にあるAR(拡張現実)マーカーをスマホを使って読み込むと、音声認識が作動し案内してくれるという仕組みです。改札の逆走防止などにも役立つそうです。
実際にデモを(主催者アイ・コラボレーション理事長板垣にて)したところ、何がどこにあるのか、どう進めばよいのか、とてもわかりやすく音声で案内してくれました!
今後、避難所やイベント会場等、簡易的に使われるのではないかという風に考え、実証実験を積み重ねてノウハウを積み重ねて普及を目指していきたい!
みんなが当たり前に使えるサービスを造っていきたい、ということでした。
ありがとうございました!

そして最後は、見事【最優秀賞】を受賞された、視覚障害を持つ人がAIスピーカーを活用する為に開発した「メモメール」チームの発表です!

メモメールの写真

このアイデアは、開発者である視覚障害をお持ちの方が、日々『こんなことができたら良いなあ』と思っていたことを提案し、それを実際に実現されたそうです。
それが「日常生活でふと思いついたことを忘れてしまわないため、その場で記録しておく」ということです。
AI(人工知能)スピーカーに『~をメモして』と発話するとメモが記録され、そのメモがメールで送られてくるという仕組みで、あとで検索もできるそうです。
ご自宅ではAIスピーカーを17台も使いこなしておられるので、このアイデアもでてきたのではないでしょうか。
声だけでメモを取って確認することができるので、もうメモを取るのに紙や筆記具を探す必要がないそうです。すでに商品化されているのがすごいです!さすが最優秀賞ですね!
見える、見えないに関わらず夜中にぱっと思い出したことなんかでも、その場ですぐにメモできる、とのことですので大変便利です!ありがとうございました!

今回の「アイデアソン・ハッカソン~世の中を変える商品開発【視覚障害を持つ方編】~最終報告会」も、とても勉強になりました。視覚障害を持つ方々と技術者の方々が協力することで、本当に障害者のことを思ったものが出来上がるのですね。
また実際に商品化されたものや、もうすぐ商品化されるもの、実証実験に至ったものも多いということなので、すばらしいアイデアソン・ハッカソンになったのではないかと思いました。ありがとうございました!楽しかったです!